アルコール依存症 予備軍、実はめちゃくちゃ多いよ!30秒でできる簡単チェックつき

内科医のなじむです。こんにちは。

突然ですが、

あなたや、周りの人のことを思い浮かべてみてください。そして…

あなた
Aさんって最近、飲酒量が増えてきたなー
Aさん
最近お酒を飲まないと眠れないんだよねー
Aさん
さすがにお酒を減らさないとなあ…

 

なんて人がいたら、もしかしたらアルコール依存症なりかけかもよっていうのが今日のおはなしです。

実はアルコール依存症ってめちゃくちゃ多いのに、僕ら内科に受診するようになってから治すのは相当難しいっていう病気。

なので、近くにいるあなたが助けてあげてっ

(この記事は、アルコール依存に対する“気づき”を意識しているため、あえて断定した言い方をしたり、専門用語を使わないようにしています。医学には本質的に無数の例外があることをご了承の上、ご判断ください。)

 

あなたの周りにアルコール依存症の人はいると思うよ

なぜかというと、多いから

男性の1%、女性の0.2%というデータがあります(2013年)。

「予備軍」は男性4.6%、女性0.7%

 

ざっくり合計で、男性の5%(20人に1人)

男性の知人って、Facebookに100人くらいいません?

  ※男性を20人集めたら、必ず1人はアルコール依存症の人がいるという意味ではありません。あくまで全人口の割合。

  ※女性がアルコール依存症になりにくいという訳ではありません。むしろなりやすい

 

アルコール依存症ってざっくりどんな病気?

お酒のせいで、生活に支障が出ているのにやめれない」病気です。

 

たとえば、

Aさん
最近、仕事のストレスが多くてついつい飲み過ぎてしまうな~。休みの日も、つい飲んじゃう。本当は他にやらないといけないことがあるのにな…

とか。

 

逆に、よくある勘違いはこの3つ。

あなた
Aさんは仕事が大変だから、お酒飲むのはしょうがないよね

→いいえ、お酒を飲む“理由“は関係ありません。

 

あなた
優秀なあの人に限ってそんなこと…

→優秀かどうかも無関係。

 

Aさん
検診で肝臓の数値は正常だったし大丈夫だろ…

→血液検査では依存症は分かりません。

 

飲まないほうがいいと心のどこかでは薄々わかってるのに、気がついたら飲んでしまっている状態とイメージしてください。

アルコール依存症っていうと、「いつも道端で酔っ払っているおじさん」っていうイメージをもっていませんか。ぼくも医者になる前はそうでした。

でも、そのイメージは多くの場合当てはまりません。

 

さて、改めて考えてみて、あなたの周りに心あたりのある人はいませんか?

お酒

 

というか、それなら本人が自分で気づくんじゃない?

いいえ、気づきません。

むしろ本人が病気と気づけないことそのものが、アルコール依存症の特徴です。

例えば…

漫画家の「まんしゅうきつこ」さんは、自身のアルコール依存症との闘病生活を漫画にされてます。

この漫画の中の1コマですが、ある日仕事であるトークイベントのあった、まんしゅうさん。

その日は緊張のあまり、仕事前にお酒を飲んで泥酔状態で出席してしまいました

最終的に、インタビュー中に訳が分からなくなり、観客に向けておっぱいを出してしまった…

きつこさんは、あとから録画の映像を見て絶望したそうです。

漫画では面白おかしく描いてありますが、すさまじい話ですよね…

家族のすすめで病院を受診、すぐにアルコール依存症と診断されました。

その時の本人の感想がこちら。

 

“完全に誤診だな”

 

…そうなんです。

そんな状況になっても、本人はアルコール依存症だと思ってないんです。

信じられないと思いますが、これは内科医のぼくも本当によく経験すること。

このページの、たとえが分かりやすい。)

 

なので、近くにいるあなたがアルコール依存症に気づくしかないんです!

二人仲睦まじく

 

アルコール依存症かどうか見分けるテストがあるよ

ここでは1番シンプルなやつを紹介しますね。

4つの質問2個以上当てはまったら、アルコール依存症の可能性大!

 

1.お酒の量を減らそうと思ったことがありますか?

2.周りの人にお酒を減らすように言われて、イライラしてしまったことは?

3.お酒を飲むことに“罪悪感”を感じたことはありますか?

4.朝起きてすぐに、お酒を飲んだことがありますか

「4つの質問」にすべて当てはまってもアルコール依存症じゃないと診断されることもありますし、その逆もあります。

 

どうでしたか?

 

「あの、2つ以上当てはまりそうな人、近くにいるんですけど…」

いっしょに病院に行きましょう。

…と言いたいところですが、大変なのは実はここから!!

そびえ立つ岩山

まず、意外に思われるかもしれませんが、依存症の治療はかなり専門的です。

僕も含め、ほとんどの内科医は全くその知識がありません。

依存症の治療を専門にしているのは精神科になります。

心療内科や、メンタルクリニックというのも同じ意味。

精神科っぽい医師

しかし次の問題として、依存症を診る(みる)ことの多い精神科医も、アルコール依存症の治療に詳しい人は多くないんです。

なので、病院を受診するときには近くで「アルコール依存症を専門にしている医師がいる病院」を探しましょう。

google画像検索

そして最大の問題は、本人に

 

あなた
アルコール依存症みたいだから一緒に病院に行こうっ!

 

と言っても絶対に行かないということ。

そもそも自分がアルコール依存症だなんて全く思ってないから行くわけないんですよね。

仕事を休むわけにもいかないし。

精悍な若者

なので、本人をいかに説得して治療に繋げるか

いかにして自分がアルコール依存症だと気づいてもらうか

がめちゃくちゃ大事なんです。

冒頭で「あなたが助けてあげて」と言った理由はこれ。

 

あなたはどう頑張ればいいの?

ひとりでこれを抱え込んでしまったら、今度はあなたが病気になってしまいます。

なので、まずは家族など信頼できる人に相談して仲間を増やしましょう。

「アルコール依存症のAさんに、病院を受診してもらう」ための仲間です。

チームワーク

さて仲間を増やすには、「自分の周りの〇〇さんが、アルコール依存症だと思うので助けるために手を貸してほしい」という、説得力のあるプレゼンテーションが必要です。

そのために、まずは最低限のアルコール依存症の知識を集めましょう。

ウェブサイトや本が参考になると思います。

本だと、これがオススメ。

一般の方にわかりやすく、アルコール依存症の症状対応(紹介する病院とか)について書いてあって読む時間もそんなにかからない。

 

また、専門家は何も医者だけではありません

県の福祉センターなど相談できる場所がいくつかあるんです。

ある程度アルコール依存症についての知識を持った近しい方たちが、愛をもって説得することで、アルコール依存症の方に病院へ受診してもらうことができるのではないか、とぼくは考えています。

2人でお酒を嗜む

 

さいごに。内科医は無力なんです。

アルコール依存症が進んでくると、肝臓や脳にダメージがたまっていきます。

痙攣(けいれん)したり認知症になったりして、内科を受診することも多い。

紫に光る脳

そういった患者さんを、ぼくもたくさん診療してきました。

でも、冒頭で書いたようにその段階まで来てしまってから、根本的に治すというのは難しい

今までたまった肝臓や脳のダメージを取り除く方法がないんです。

なので、アルコール依存症になりかけの人の近くにいるあなたが、早めにその人に手を差し伸べてあげてほしいな、という話でした。