こんにちは。なじむです。
あなたは、計画を立てるのは得意ですか?
ぼくは計画を立てるのは得意ですが、守るのは苦手です。
というか、はなから計画を守る気があんまりないんですよねー

しかし一方で、物事の基本戦略は「続けること」じゃないですか。ダイエットだろうが勉強だろうが何でもそう。長いこと続けないと何かを成し遂げられないぜっていうのはもはやこの世の絶対法則ですよね。
その「続ける」というのを達成しやすくするために、たしかに計画はあるに越したことはない気がします。たとえば勉強だと「まいにち3時間以上勉強するぜ!」とか。
しかし、ぼくらが気づいておくべきはむしろ、「まいにち3時間勉強するぜ!」という計画が100%破綻するという事実だと思うんです。
なぜか。
それは、人間の計画にしては救済措置がなさすぎるから。
もくじ
ぼくらの計画は運に支配されている。

「今日は絶対に3時間勉強する!」を達成するだけだったら、正直めちゃくちゃ簡単なんですよ。多少アクシデントがあっても根性でなんとかなる。
でも、これが365日連続とかとなるといきなり運の要素がからんできます。「運=不測の事態」と言い換えても良いかもしれません。これによって一気にゲーム設定が激ムズになる。
具体的には
・・・などなどいくらでも挙げれちゃいます。
これらがやってくる確率はそれぞれほぼ一定。とくに「なんとなくやる気が出ない」なんて、10日に1回くらいの割合で出現しませんか?

そう考えると、不測の事態を365日連続でよけるってもう完全に無理ゲーですよね。
妨害アイテムの要素がある以上、どれだけ実力があってもマリオカートで1位になり続けるのが不可能なのと一緒。
なので、計画は途中で予期せぬ中断が起こると考えておいた方が現実的です。精神衛生的にも
計画が狂うことではなくて、落ち込むことが問題
運ゲーの要素があるので、1週間に何回かは目標を達成できないことがある。これはもうしょうがない。むしろ問題はそれを「自分には根性が足りない」みたいに不当な評価をしてしまうことだと思うんです。
きょう目標が達成できなかったのは根性ではなく運が悪かったせいです。明日がんばりましょう。
ぼくも今日は、この記事に思いがけず時間をとられたので他の予定はあした頑張ることにします orz
国家的プロジェクトも実は運ゲー
運の要素を洗い出しきれないので、人間の計画はベストケースシナリオになりがちです。
東京オリンピックの予算のように国家レベルでの計画ですら、日常的にポンポン修正されてます。あまりに日常的すぎて「計画錯誤」という心理学用語ができてしまったくらい(笑)

なので、計画通りにいかなくても大丈夫。
ぼくも正直、予定どおりに物事がうまくいったことは1度もありません。
むしろあなたは、何かが完全に計画どおりに進んだことが1度でもありますか?
運の要素をすべて洗い出せないならば、どうやって計画をたてればいいのか
過去に似たようなことをやってる人がいないか探すというのが有名な方法です。
ダニエルカーネマンっていう人が科学的に提唱してます。ノーベル賞学者とってるすごい人なんで、ぼくはとりあえず従ってますw
プロジェクトレベル(仕事とか)で計画をたてるときは
あなたが何かのプロジェクトに携わってるなら、過去に似たような規模や内容のプロジェクトがなかったか調べる。
で、その「昔のプロジェクト」が完了までに1年くらいかかってるようだったら、「今やってるそのプロジェクト」も大体1年くらいかかるのでしょう。
(心理学用語で外部情報に基づくアプローチといいます)

とても1年かかるとは思えない!とあなたが感じたとしても、外部情報は思ったより参考になります。客観的だから。
たとえばあなたが今ブチ切れていて、まさに殴ろうとしているムカつく人が目の前にいるとしましょう。
もし今「その相手がこの20年間で一度も喧嘩で負けたことがない」という外部情報が入ったとしたら・・・すぐさま話し合いに切り替えますよね(笑)
個人レベルで計画をたてるときは
個人レベルで外部情報をあつめるのは意外とむつかしい
個人レベルで外部情報をあつめるのは意外とむつかしいです。
たとえば「今日から1日3時間勉強しよう」と思って、「過去に1日3時間勉強してみようとしてみた人」って周りで見つかりにくそうでしょ?いたとしても、そのディテール(詳細)を覚えてないと思う。
じゃあネットで調べよう!って思っても、そういうのって、えてして超人的なエピソードが記事になりやすいじゃないですか。「仕事しながら1日6時間勉強してMBAとったぜ」みたいな

そんな変態的なデータはとてもじゃないけど参考にならないですよね。
個人レベルで外部情報は過去の自分
個人レベルでのデータをみつけたかったら、「過去の自分を調べる」のがいちばん手っ取り早いんじゃないかなと思います。
どういう事かというと、何かをやろうとしようと思ったら「以前にやったときはどういう結果になったか」を思い出すということ。
たとえば、「今週の土日は朝から晩までぶっ続けで勉強するぜ」という目標をたてたら、「過去に本当にぶっ続けで土日に勉強したことがどのくらいあるか」を思い返してみましょう。
意外と無いんですよね~、一日中勉強できるってこと。ぼくも直近で6年前かなー(←医師国家試験の直前だった)

この「過去の自分を意識的に振り返るようにする」っていうのは結構おすすめで、自分オリジナルのデータを発見できます。
たとえば自分の例でいうと、朝1時間勉強ができた日はほぼ100%、3時間以上の勉強時間を確保できることがわかりました。
なんでなのかはよく分からないというところがミソです。理由は分からんけど、さっきの「風邪やら仕事やらの運の要素」をぜーんぶひっくるめても結果的に目標がクリアできるってデータなんですね。

ほかの例でいうと、「夜にやる気が起きなくて明日の朝はやく起きて勉強しようって思ったとき」は100%失敗します(これもぼく個人の場合にあてはまるデータですよ)。
いままで何十回とこのパターンで失敗してることを考えると、「今度こそは!」と思うだけ無駄ですよね。そういうときは夜にむりやり頑張るか、もうあきらめます。

あなたも、ぜひ過去と照らし合わせて「今回の計画がどのくらい成功しそうか」を予想してみて!たぶん最初に思ったより成功しなさそうだなと分かるはず。
そしてそれを何度も何度も繰り返すと、あなたの計画は現実の自分にちょっとずつ近づいていくと思います。
まとめ
「計画は狂うのがふつうなので、むしろ落ち込まないってことの方が大事なんじゃない?しいて言うなら、過去の自分がデータとして参考になるよ」というお話でした。
最後に、さっきのノーベル賞の人の名言をどうぞ。
外部情報に基づくアプローチを話題にするときは
「彼女は計画の錯誤を犯している。あれは計画というよりベストケースシナリオだ。実際には計画が失敗に終わる可能性はたくさんあるのに、すべて無視している」
ファスト&スロー(下)第3部より引用